本書はファンドマネージャーが執筆した本です。 アクティブファンドの機関投資家がどういう考え方で投資をするのかが知りたくて本書を読みました。
■時々見かける「銘柄の選びの考え方」を一刀両断
株式売買を始める時、本屋に行って「初心者~」「初めての~」的な本をいくつか選んで読みましたが、銘柄を選ぶ際に「応援したい会社の株を買う」といったことを書かれていたのを思い出しました。
著者は、投資先の選定基準として「頑張れと応援してどの企業の利益が増えるのなら応援する」と述べており、プロの投資家としての姿勢が明確です。買った銘柄が利益を出して株価が上がっていくのが原理原則であり、応援して企業の利益が上がるなら簡単だよなぁ、と納得。
投資に限らずあらゆる分野で初心者向けの書籍が山積みになっていますが
初心者向けの本で原理原則に従って解説されているような、
本質を突いた説明をしているものはほんの一部なんじゃないかなと思います。
本選びって難しいですね。
■売らなくていい株、強靭な構造を持つ会社
強靭な構造を持つ会社が投資先の選定基準とのこと。
特に気に入ったのは「高い参入障壁」の部分です。
この解説は頭の中で何度も何度も反芻し、脳に刻み付けました。会社訪問で「御社のビジネスには参入障壁があるのですか」と質問するそうです。自分なりに仮説を立てて質問するのだそうですが、経営者がしっかりと意識しているかどうかを見ているとのこと。
自分があまり意識していなかった部分も少なからずあるかとおもいますが
今までスキルアップのため、多数のビジネス関連の本を読みあさってきて、
「高い参入障壁」という点は表だって触れられていなかった気がします。
本書ではUberとリフトの競争を事例として扱い、参入障壁は色褪せやすいという点にも触れており、
今までなかった新しいアイデア、ゼロイチという思考法も、
結局真似しやすい仕組みだと長くはもたないのだと気づきました。
この参入障壁という考え方は今まで自分の仕事で意識してこなかった部分なので
この解説の部分は非常にありがたかったです。
個別株を買うときには、当社のどの部分が参入障壁なのかを自分なりに考えないといけないですね。
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