問題解決の思考を学ぶⅠ 「問題の認識」 その1

日々の仕事や日常生活の中で、多くの問題に直面することがある。その問題を解決するのか、あるいは先送りするのか、人それぞれ対応の仕方が異なってくると思うが、やはり問題は適時適切に解決して過ごしやすい環境を作るのが理想であろう。そこで必要になるのは、日々の問題を解決していく的確な方法とは何か?ということである。

一般論として言えば、問題を解決する一連のプロセスは次のようになる。

①問題の認識→②解決策の立案→③解決策の実行→④問題解決の結果と分析

本ブログでは、始めにこの4つの流れに沿ってそれぞれ参考になった本を、ポイントを触れながら紹介したいと思う。本の内容に興味を持ってもらえたり、あるいは何かしらの役に立てば幸いである。

それでは最初の「①問題の認識」では、問題を定義することの必要性を学ぶために、次の書籍を紹介したい。

■イシューからはじめよ 知的生産の「シンプルな本質」 安宅和人著

イシューは英語のissueのことで、issueの品詞は他動詞、自動詞、名詞に分けられる。
日本語の辞書では他動詞は「発行する、出版する、出す、支給する」という意味で、自動詞は「出る、流出する、由来する」という意味となっている。

そして名詞は「発行、発行物、配給、流出、結果、結末、重要な点、問題点」などの意味がある。

英語を勉強したことがある人であればissueの意味は知っていると思うが、本書の序章にて詳細に意味を定義しており、その意味を念頭に置いておくことが本書を理解する上で重要な要素であると思う。

それでは、自分にとっての本書の読みどころを紹介したい。
読みどころは2つあり、1つ目はチャプター0の『序章 この本の考え方――脱「犬の道」』で、2つ目はチャプター1『イシュードリブン 「解く」前に「見極める」』だ。

詳細はもちろん本書で確認していただきたいが、この2点から自分が得た考え方を紹介したい。

―チャプター0 序章 この本の考え方― ―脱「犬の道」

序章で筆者は、「バリューのある仕事」がどのようなものかについて定義している。具体的には2軸のマトリックスで示しており、縦軸に解の質を、横軸にイシュー度をとり、両方の軸で高いレベルにあたる右上のマスに入る仕事が「バリューのある仕事」である(P25より)。

そしてissueの定義は、

A) a matter that is in dispute between two or more parties
2つ以上の集団の間で決着のついていない問題

B) a vital or unsettled matter
根本にかかわる、もしくは白黒がはっきりしていない問題

(P25の図3 issueの定義より)

としている。

日本語の辞書ではissueは「問題点、重要な点」と一言で表されてしまうが、(おそらく)英語の辞書ではこのように国語辞典のように定義される。この内容が先ほど触れた「本書を理解するうえで重要な要素」のことである。

話を「バリューのある仕事」にもどそう。「バリューのある仕事」への到達ルートは2つあり、一つは解の質を高めてからイシュー度を高めるか、イシュー度を高めてから解の質を高める、となっている。

前者の順序は、労働量によって解の質を高めるルートであり「絶対にやってはいけない」ルートであると説明している。言い換えれば、後者のイシュー度を高めてから解の質を高めるというルートこそ、生産性の高い仕事の方法であり、すなわち「バリューのある仕事」へ到達する正しいルートということである。

この意味は時間や労働量で仕事を進めるのではなく、本質的な問題を見極めてからその問題を解く質をあげよ、ということであろう。

この理由について次の『チャプター1 イシュードリブン 「解く」前に「見極める」』でより詳しく説明しているので、次回で紹介したい。

スポンサードリンク
[adsense]

コメント

タイトルとURLをコピーしました