問題解決の思考を学ぶⅠ 「問題の認識」 その2

前回は、1つ目の読みどころであるチャプター0『序章 この本の考え方――脱「犬の道」』を紹介した。
そこで今回は、読みどころの2つ目を紹介しよう。2つ目はチャプター1『イシュードリブン 「解く」前に「見極める」』だ。

―チャプター1 イシュードリブン 「解く」前に「見極める」

筆者は序章で「バリューのある仕事」の定義と、イシューの定義を明確にし、「バリューのある仕事」をするための正しい順序とは、はじめにイシューを見極めること、すなわち本質的な問題を見極めることであると説明した。
この重要性を理解してもらうことが本書のレビューの最大の目的であり、最初のステップだ。


それではなぜ正しくイシューを見極めるのが先なのか。筆者は「バリューのある仕事」のあるべき姿として主張しているが、これに僕の考えをつけ加えると「イシュー(本質的問題)が何か、その見極めができて初めて問題が真に解決するから」ということである。

テストや試験問題では問題は明確で解答も原則として一つしかないが、人々が世の中で直面する様々な問題、イシューの正解が一つしかない、という例は少ないと思う。正解が一つでないならば、正解にたどり着く過程も当然一つではない。

とすると、「では何をもって問題、イシューの正解とするか?」ということから考えていくことになる。そして正解、解決の条件が異なれば、解決すべき本質的な問題の解答も異なってくるだろう。数学のように解答のプロセスは異なることがあっても正解が一つであるとは限らないのが、問題解決の難しさであると思う。

本書ではイシューを見極めることの重要性について、

「何に答えを出す必要があるのか」という議論からはじめ、「そのためには何を明らかにする必要があるのか」という流れで分析を設計していくと説明している。

(P45より)

「バリューのある仕事」をするためには、その目的を明らかにしてから取り組む。目的がわからないと、見当違いのことを調べたり分析したりして、結果的に時間がかかったり非効率になり、生産性が低くなりバリューのある仕事とはいえなくなるからだ。

加えて筆者はよいイシューには3つの条件がある、と説明している。この3つの中でも特に重要だと思うのが、「答えを出せる」という点だと思う。答えが出せないイシューは結局どうしていいかわからず、先に進めないからだ。いずれの条件も本書で詳細に解説されているので確認してほしい。

また、イシュー特定のための情報収集(P75~)では、情報収集のためのコツが3つ紹介されている。このコツは僕としてはもう少し解説がほしいと感じた部分ではあるものの、筆者の経験に基づいた内容であると思うので、目を通して自分なりに実践しながら吸収していくとよいだろう。

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