問題解決の思考を学ぶⅡ 解決策の立案 その3

―要約の記述(本書のP165より)

最後に取り上げるのは「要約の記述」だ。
要約とは、論旨・要点を短くまとめて表すことである。本書によると、

要約する最大の目的は、これにより真の意味を拾い、さらに考えを深く発展させること

(P166より)

とあり、演繹法か帰納法で議論を進めて考えを深く発展させると述べている。

帰納法で進める場合は、先に取り上げた「3. 類似のもので分類する」の次の段階に進むために必要な手順となる。

前回挙げた例で、魚が売れ残る理由として挙げられた100項目を、類似点で30:40:30という3つのグループに分けることができたとする。
この3つのグループはそれぞれ30項目、40項目、30項目の集まりであるが、それぞれのグループの意味を解釈する時に「要約の記述」が有効になる。

要約の記述に際して、僕が本書で注目したポイントはのは次の2点だ。

・具体的な言葉を使って別の表現をする(P170より)
・グループ内の類似点の関連性を見極める(P182より)

・具体的な言葉を使って別の表現をする

別々の内容をひとつにまとめて要約する時、言葉が聞き手や読み手にとって明快であり、自分自身の考えを簡潔に表現できていることが望ましい。
専門用語をなるべく排除し、曖昧な言い回しを避け、聞き手がスムーズに頭の中でイメージできるように心掛けると、相手と自分の解釈の食い違いを減らすことができるだろう。

・類似点の関連性を見極める

別々の内容が、「同一の主語」か、あるいは「同一の述語」かを分けて関連づけを行うと、分かりやすい要約文を作ることができる。
同一の主語が類似点でまとまっているのであれば、異なっている述語以降の関係で要約のポイントが示せる。
一方、同一の述語が類似点でまとまっているのであれば、異なっている主語や目的語、補語などの関連を意識して要約すればよい。

最後に自分の経験を述べさせてもらうと、要約という作業は何度も繰り返して磨いていく必要がある。要約が完ぺきにできたと思ったとしても、翌日改めて読み返してみると不完全に見えることがよくあるからだ。スポーツと同じで、要約にも繰り返しのトレーニングが必要ということだと思う。

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