演繹的な考え方を学ぶ第1のステップではフェルミ推定によって考え方の基本的な流れを学び、第2のステップでは考える時の切り口として役に立つツール(フレームワーク)を豊富にまとめている書籍を紹介した。
仕上げとなる第3のステップは「実践的なビジネスケースで、学んだ知識の使い方を確認する」だ。ビジネスケースを読みながら勉強するの役に立ったのが次の書籍である。
―3. 戦略コンサルティング・ファームの面接試験
本書は第2のステップで紹介した本と同様、戦略コンサルティングファームを志望する人のために書かれた書籍であり、本番さながらの面接試験という形式でケース問題の解答の流れを解説している。
原題は「CASE IN POINT Complete Case Interview Preparation」であり、米国の書籍である。
先に紹介した2つの書籍と比べると本書はビジネスに関する問題に特化しており、取り上げられる問題は合計36題とボリュームも豊富となっている。
ほとんどが米国企業のケースであることから知識的、あるいは経験的に馴染みのある話は少ないだろうし、いずれの問題も難易度が高く感じる人も多いと思う。
ただ、解説の流れは非常に論理的に書かれているので、内容はスムーズに理解できるはずだ。
本書では、ケースのタイプを次の4つに分類している。
(1) ブレイン・ティーザー
(2) マーケット・サイジング
(3) ファクター問題
(4) ビジネス・ケース
ケース問題の中では特に(2)~(4)の考え方を使って解答を導くパターンが多い。
これらのパターンに対して、本書ではアイビー・ケース・システムという思考法を提示している。アイビー・ケース・システムとは各種のフレームワークをどのようなケースにあてはめるとスムーズに考えられるかをパターン化したものである。
アイビー・ケース・システムは本書のP98~103で一覧表にされており、ケース・シナリオという分類の中で大項目、小項目の順に構成されていて非常に便利だ。
ひとつひとつは自身の業務に直接的には関係がないように見えるかもしれないが、それぞれの項目の分解の仕方を頭の中にインプットしておいていつでも取り出せるようにしておけば、思いがけないタイミングで役立つときが来るかもしれない。
このシステムをどのように活用するかはケース問題の解説の最後にポイントとして述べられているので、ケース問題を繰り返し読み込むことで演繹的な論理思考のよいトレーニングになるだろう。
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