問題解決の思考を学ぶⅡ 解決策の立案 その2

―帰納的に解釈する時の考え方(本書のP111より)

次に取り上げたいのは物事を「帰納的に解釈する時の考え方」だ。本書では帰納的に解釈する時の方法として次の3つを挙げている。

1. ある結果の原因を特定する。
2. 全体を部分に分ける。
3. 類似のもので分類する。

(P111より)

とある事象を観測した時に、その事象から何がわかるか?という問題を帰納的に解釈するときの考え方がこの3つである。それではそれぞれの内容を紹介していこう。

1. ある結果の原因を特定する。

「結果の原因」とは因果関係のことで、例えば知人が「経営するスーパーの売上が前年より上がった」と話してきた。売上が前年より上がったという事実があり、その理由が「販売促進の施策がうまくいったから」だとしよう。この場合、「販売促進」という原因と「売上が上がった」という結果の間に時間的経過が存在する。従って、因果関係は時間の順序で分解できる。

2. 全体を部分に分ける。

本書では全体を部分に分けるという方法に関して、組織や産業構造を示すときによく使われると説明している。例えば知人のスーパーの会社が、店舗運営部、販売促進部、商品部という3つの部門で成り立っているとしよう。この3つの部門分けが、構造の順序のことである。

3. 類似のもので分類する。

表面的には原因が複数あるようにみえて因果関係を特定できなかったり、あるいはたくさんの事実が複雑に絡まっていて構造的に分解できなかったり等、目の前の問題のどこから手を付けて解決に向かえばいいかわからなくなる時があると思う。

この場合に最初にとるべきステップは、目に見えているいくつかの問題に対して、類似性を見出すことだ。
例えば、知人のスーパーの生鮮食品で、肉と野菜は毎日売り切れになるが、魚だけは何を試しても必ず消費期限切れで処分するコストがかかってしまう、という問題があるとしよう。

そこで現場で働く10人のパートさんに思い当たる理由を聞いてみたところ、「家の近くの魚屋では同じ商品が安く売っていた」、「魚の種類が悪い」、「包装パックが悪い」、「チラシに載っていない」、「売り場の位置が悪い」、などと合計で100個の意見が挙がってきた。

これらの意見は全て売れ残ってしまう原因のように思うけれど、すべて個別に対応していたらきりがないし時間もかかってしまう。このような場合、まず100項目の意見に類似点がないかを探す。そして類似性を発見したら、それぞれの類似性の項目に重要度を割り当て、最も重要であると思えることからそうでないと思えることまでを順序付けする。

つまり、序列の順序に従って分解するのだ。重要度の順序付けができれば、対応しなければならない順番もおのずと決まってくる。

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