問題解決の思考を学ぶⅡ 解決策の立案 その1

①問題の認識→②解決策の立案→③解決策の実行→④問題解決の結果と分析

科学的に解決策を立案するには、論理的な思考が不可欠となる。そして論理思考(推論)で広く知られる方法には演繹法か帰納法がある。
そこで今回は②解決策の立案のステップで、帰納法のトレーニングになる読みごたえのあった書籍を紹介したい。

■考える技術・書く技術 説得力を高めるピラミッド原則 バーバラミント著 山崎康司訳

本書の感想ついては多くの人がAmazonにレビューを寄稿しているので、大まかな内容はそちらに譲るとして、ここでは身につけるべき3つの考え方を取り上る。

―論理的な順序―帰納的に解釈する時の考え方―要約の記述

上記の3つのポイントは本書の原題である“PYRAMID PRINCIPLE”という考え方の構造(ロジックツリーの構造)の要所である。多くのレビュアーが指摘しているように、本書は難解であり、一度読んだだけではなかなか理解しがたいと思う。

だからといって、上記の3つのポイントだけを理解すればよいというわけではないが、仮にこの3つのポイントを理解し、使いこなすことができるようになれば、問題解決を論理的に考える上でとても役に立つのではないかと思う。
それでは一つ一つ内容を追って行こう。

―論理的な順序(本書のP17より)

最初に取り上げたいのは「論理的な順序」である。本書によると『各グループ内のメッセージは常に論理的に順序づけられていること』と記述されているが、物事をピラミッド構造で解釈するとき、構造の組立のルールは「論理的な順序」に則っているべきであり、著者は論理的な順序が次の4つしかない、と述べている。

1. 演繹の順序:大前提、小前提、結論
2. 時間の順序:1番目、2番目、3番目
3. 構造の順序:東西南北、英語の文型、など
4. 序列の順序:1番重要なもの、2番目に重要なもの、など

(P17より)

既存のフレームワークでは3CやPPM*がよく使われるが、必ずしもこうしたフレームワークだけでは対応できない事態に直面すると思う。そういった場合の考え方として、4つの論理的な順序のどれかを使えばいいかを考える。

例えば、家計調査などの統計を根拠に結論を述べたい場合は演繹の順序が役に立つ。自分が考えるときにどれを使うかの事例を挙げると次のようになる。

・演繹の順序:家計調査などの統計を根拠に結論を述べる時
・時間の順序:行動予定などの1日の流れ、1週間の流れ、1カ月の流れを組み立てる時
・構造の順序:市場動向を分析する時(3C)
・序列の順序:バリューチェーンや作業順序を考える時

こういった内容は、最初から考えて使っていたわけではなく、試行錯誤しながら順序を分けていったときにこの通りになった、という事例にすぎない。言い換えれば、考え方として必ずしもすべてにおいて事例の通りに当てはまるというわけではない。
例えば統計から結論を導くときに演繹的な考え方では確信できる根拠がみつからず、いくつかのデータを使って帰納的に結論を述べなければならない状況もあるだろう。

以上のように、帰納法の考え方については、はじめに4つの順序を意識するといいだろう。

*3C:Customer(顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の頭文字のことで、このフレームワークは構造の順序に該当する。
*PPM:Products Portfolio Managementの頭文字のことで、このフレームワークは構造の順序や序列の順序の要素を含む。

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