演繹的な考えを学ぶ第1のステップでは、フェルミ推定という論理思考トレーニングによって演繹的な考え方の流れの基本を学んだ。そこで第2のステップでは、演繹的に考える時の切り口として役に立つツールを豊富に掲載している書籍について紹介したい。参考になったのは次の書籍だ。
―2. 東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート
僕がここで言うツールとは、フレームワーク(framework)と呼ばれるもので、フレームワークは直訳すれば「体制、組織、骨組み、枠組み」などと訳される。ビジネス上においては経営や戦略施策の方向性を決めるための分析方法や問題解決のための分析の考え方、思考方法などをまとめたものとして意味する。
著書「東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート」は
戦略コンサルティングファームの選考に出題される「問題解決ケース」の解説書であり、問題集です。戦略コンサルの面接対策としてはもちろんですが、問題解決手法に関心のあるビジネスパーソンや学生の方にも、広くお使いいただけると思っています』
(P1 「はじめに」より)
とあるように、問題解決という考え方、手法をまとめた書籍となっている。
本書の構成は、始めに問題解決を3つのケースに分けて、解決までの一連の流れを5つのステップで進める手順を説明しており、合計18題のケース問題をこの手順にしたがってどのように解決していくか細かく解説している。
ケース問題はビジネス関連のものから日常生活で体験するような身近なものまで様々な題材を扱っており、先に挙げた『地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」』で使われているケース問題よりも身近に感じられると思う。
本書を読み込むうえでポイントになるのは、それぞれの問題を解くときに活用する多種多様なツール(フレームワーク)の使い方である。
ケース問題に応じて様々なツールを使って解説しているが、これらの分析ツールは多少の制限はあるものの汎用性があるため、まったく異なるケース問題でも活用できる場合がある。
また、巻末の付録には「厳選フレームワーク50」と50種類の分析ツールが掲載されているので、これらの使い方を理解するのもよい勉強になるだろう。
そして最後に「問題解決ケース210選」と210個のケース問題が掲載されている。このケースに対する解答や解説は本書には記述されていない。いくつかは調べれば正解が分かる問題もあるが、まずは調べずに自分の力で仮説を立てながら解くのがよいトレーニングになると思う。
また、考える人の価値観や経験、知識によってケース問題の最適な解決策が異なるような、いわゆる「正解のない問題」もある。このような問題については自分だけでなく他の人に「あなただったらどう考えるか?」と尋ねてみるとよいだろう。他の人と自分の考え方と比較すると、自分の発想の幅を広げるのに大変役に立つと思う。
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