問題解決の思考を学ぶⅡ 解決策の立案 その9

今回が最後の「解決策の立案」を学ぶポイントの紹介になる。いよいよ大詰めだ。

―浅い思考を論理思考に変換できる

メモ書きの3つ目の効果は「浅い思考を論理思考に変換できること」である。

頭の中「だけ」で思考を論理的に組み立てることは、じつは案外難しい。将棋や囲碁、チェスといった頭脳ゲームをプレイしたことがある人なら、頭の中だけで手順を考えておくことがどれだけ困難かはよくは知っていると思う。

これらのゲームのルールはシンプルであるものの、プレイヤーは「どっちが先に指すか」以外優劣はない(先に指すか、後に指すかについても2016年の時点ではほぼ優劣はないとされている)。
言い替えれば、相手より深く読めるかどうかを競うゲームであり、ゲームのルール自体には運の要素は存在しない。
本書でも例として挙げているが、将棋や囲碁のプロ棋士、チェスプレイヤーといった人を除けば、頭の中だけで論理的に思考を組み立てることができる人とは非常に少ないと思う。

そこで今回紹介したいポイントは、頭の中だけで思考を深くすることは難しいが、メモ書きをすることによってこれを補完できる、ということである(プロの棋士のように頭の中だけで深く思考を組み立てることができるという人は、本書を読む必要性はあまりないかもしれない)。

実際、メモ書きを実践していくと、自分の思考の中で考えていた考えが整然としてくる感覚をおぼえる。本書P34では次のように書かれている。

考えをどんどん深めていくこと、選択肢をあげ尽くし、それを評価して優先順位をつけることなどは、実はウェイトトレーニングと同じで、鍛えれば鍛えるほど力がつく。(中略)このトレーニングの結果、飛躍的に頭が整理され、的確な言葉使いができるようになる。

本書で示されているメモ書きのトレーニングによって思考を整理することで、問題の解決をより効率的に進めることができるようになる。

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